「してくれないの?してくれないと、今夜は激しいかもね」

「……最低。テスト前だって知っててそういうこと言うんだもの」

「俺、たまってるから今夜だけじゃ済まないかもしれないよ?」

 スッと、しかも自然に私の頬に触れ、柔らかく微笑み見上げられたら。

 目を反らさなければやってられない。

 ぎゅんって心臓を鷲掴みされた様な感覚に陥り、ほんのりと顔が色づくのが自分でも分かる。

「あれ?ドキドキしてるんだ?やっぱり、じっくり派だったんだね」

「ち、違うわよっ……」

「早く〜」

「ココじゃなきゃ、ダメなの?」

「ダーメ」

 いたずらっ子の様な、それでいて愛しそうな表情。

 あー、もうっ!!

 何だかんだ言ってきゅんってしちゃうんだから!!

 仕方ない、と思いつつ、このままタツキの思い通りというのが気に食わない。

「分かったから!……目、閉じて?」

「はいはい」

 タツキの頬に触れながら、顔を近付ける。

 こうやって私からタツキに触れるってことってあまりないわね……。

 たまには私から、って考えるけど、羞恥の方が勝ってしまう。

 チュっと、唇を落とす。