「生徒会室、で。教えていただけますか?長谷川先生?」

「またそうやって、キャラ変えるんだもん。いつも通りじゃダメなの?」

「当たり前じゃないですか。生徒会室に戻りますよ」

「………ふーん」

 まるで、欲しいオモチャを買ってもらえなくて駄々をこねる子供みたいに。

 口を尖らせ、通常の座り方とは逆に椅子を跨ぐ。

 ……何よ、何なのよ。
 私に、どうしろって言うのよ!!

 腰に手をあて、タツキを見下ろす。

「……先に行くわよ?」

「やーだ」

「じゃあ、早く立ってよ」

「チューしてくれたら、生徒会室行ってあげてもいいよ?」

「アンタは幼稚園児か?!」

「俺から逃げてたこと、悪いって思ってるんでしょ?
だったら、キスくらい千紗からしてくれたっていいんじゃない?」

「確かに、悪いとは思ってるわよ?思ってるけど、それとこれとは別なんじゃないの?」

 私に非があることは確かだけど、キスするとかしないとか関係あるわけ?!

 コイツは、誰かに見られたらとか考えないのかしら?