私の後に続いてタツキが中に入った。

「どういうつもりなの」

「何が?」

 後ろにいるタツキと向かい合うため、くるりと反転するとポスッとタツキの腕の中に納まってしまった。

 ここは学校だし誰かに見られたらと考えると、すぐさま離れた方が良い。

 タツキの胸を押すが、ガッチリホールドされ抜け出せない。

「ちょっと!!!何してんのよ!!?」

「何って、分かんないの?」

「離してよっ!!誰かに見られ…んっ?!」

 顔を上げたのが悪かった。

 気付いた時には、唇が塞がれ強引に熱いものが入ってくる。

「うぅっ!!ちょっん!!」

 頭を離そうとしても、掴まれ逃げようにも逃げられない。

 やばい……。
 タツキに流される。

 ………もう仕方ない。

 私の体とタツキの体の間に挟まれていた手を抜き、タツキの顔目がけて振る。

 パシーン!!と、乾いた音と共に、タツキの顔が歪む。

 それを見てタツキを目一杯の力で押し飛ばせば、タツキは壁にぶつかった。