「え?シカト?」

 当たり前じゃない。

 いい加減、本でも何でもやること見つけて黙りなさいよ。

 と、心の中で毒づきタツキを視界の外へと追いやる。

 タツキは、私達が完全シカトを決め込めたのを理解したのか静かに、机の周りを徘徊し始めた。

 何を思ったのか、私の後ろで立ち止まり「ちーさー、ちーさー、ちーさー」と、救急車のサイレンの様に、私の名を連呼する。

「はぁー。……タツキ、ちょっと来て」

 苛つきからか、普段通りに呼んでしまったのは突っ込まれたくないわね。

 とりあえず、生徒会室から出て少し離れた小会議室に入る。

 準備室でも良かったのだけど、怒鳴る可能性がないとは言えないじゃない?

 あそこで怒鳴ると、生徒会室に響くのよ。