「そうなの?
じゃーいつが好きなわけ?」
秋は無防備にそう問う。
「んー、やっぱ俺は
秋が好き」
そういって勝ち誇ったような笑顔で秋を見る。
秋は自分がした質問を恥ずかしく思った。
秋、というイントネーションが
なんとなく自分の名前を呼ばれてるようだったからだ。
「そ、、、そっかあ」
秋は顔を赤くして黙り込む。
「アレ?何おまえ顔赤いじゃん?」
秋の顔色をうかがうように覗き込む。
その行為をさけるように
顔の向きをそらす。
「そんなことないしっ!」
陸也は学校を転校。
転校先は不明。
あれだけ 人気者だった陸也も
あっという間に 人気をなくした。
それだけみんなにショックを与えたんだろう。
秋は、陸也との過去を心の奥に
誰にも触れられないように
誰にも開けられないように
しまっておくことにした。