「――で、翔太はどうしたいの?」


昴とキョウが対戦してる間、あたしと翔太は作戦会議中。


「どうしたいも何も……見合いするんやったら、もうどうにもならへんやん」

「翔太はどうしたいのっ!」


バシッ!と強めに翔太の背中を叩く。


「つ~……そら、付き合いたいに決まっとるやん」

「じゃあ頑張るしかないじゃん」

「せかやてフラれとるし……見合いするとか言うし……アカン……へこむわ……」


背中を丸めてどんより暗くなる翔太を励ます、何かいい方法はないものか。


……うーん。


昨日の球技大会のあと奈々はあたしの家に泊まったんだけど、大した情報はもらえなかったんだよなぁ。


何の為にお見合いをするのか、絶対にしなくちゃいけないのか聞いても、奈々は『決まったことだから』の一点張り。


それにお見合いの話を出すと奈々は若干不機嫌になるから、あまり深く突っ込めなかったんだよね……。チキンでごめんなさい。



翔太のことも話したは話したけど……奈々の気持ちはいまいちハッキリしない感じというか。


「そもそも好きか嫌いかで言うたら好きって何やねん! 友達としては好きやけど恋人にしたいとはまた別っちゅーことなん!?」

「うーん。それはあたしからは、なんとも……」

「飴と鞭で言うたら奈々は鞭ばっかりやと思わへん!? アイツは俺をおちょくっとるんや!」

「それはそれで奈々らしいから否定は出来ないけども……それって実はすごいことなんだよ」



あたしが奈々らしいって思うことを翔太は体験してる。今まで周りにそんな人、誰もいなかった。