昴に支えられて、あたしは額を押さえながら起き上がる。


「もう! 痛いじゃんか!」

「すまんて! せやけど後ろに居るなんて思わへんやん!!」

「翔太が荒れてるから止めてあげようとしたのーっ!」


額を押さえながら翔太に怒ると、キョウが「まあまあ」と割り込んできた。


「喧嘩はダメだよ。はい仲直りー」


あたしと翔太の手を取って、勝手に握手させるキョウに冷ややかな目を向ける。


「……キョウ、めちゃくちゃ爆笑してたよね?」

「どんな時でも笑うことは大切なんだよ、透」

「さすがに心配するとこでしょ!?」

「たんこぶで済んで良かったね」


ニコッと笑うキョウに、ガクッと肩を落とすあたし。


キョウって何でも笑って解決しそう……。



「ダイジョブ? トール」

「平気! もう痛くないよっ」

「イタイイタイ」


突然、昴があたしの額をさすってくれる。


ポッと頬を染めるあたしに構わず、昴は何回か額を撫でると急に腕を上げた。


意味が分からず昴を見上げると、ニコッと笑う昴。


「トンデケ」


ズガーンッ!と笑顔と言う名の大砲で胸を撃ち抜かれる。


まっ……まさか、痛いの痛いの飛んでけ!?


下っ手くそ! そこが可愛い! きゅん!