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「1年女子ヤバいのいるって」

「2人いんだろ?」


食堂で昼飯を食べてると、グループは違うが同じクラスの奴らが口々に話し出した。


話題は数日前に入学してきたばかりの、女子。


「ヤバイて、ナニ?」


俺の向かい側に座ってる昴が首を傾げると、昴の隣に座ってるキョウが教えてやる。


「可愛いってことだよ」

「んん! ヤバイequalカワイー?」

「ちゃうちゃう! ヤバイは何にでも使うねん」

「ナニにでも?」


昴は頭に疑問符を浮かべ、何て言ったらいいのか分からないキョウは目で俺に助けを求めてくる。


「んーとね……すごく、って意味?に近いよな?」

「昴、忘れろ。とりあえず今のヤバイは可愛いってことや」

「んん、OK」


何でもヤバい言うからなぁ……日本の若者は……。


飯が美味くてもテレビが面白くても、とりあえずヤバい、や。


「しかもよ! その2人が常に一緒に行動してんだよっ!」

「マジで!? 拝みて~!」


同じクラスの奴らが盛り上がってる中、昴は「オガム!?」と小声で驚いている。


多分神様を拝むの拝むだと思っとる。キョウはそんな昴に吹き出しながらも、話題自体には興味なさげにしていた。


「翔太は? 見た? 1年女子っ」


隣に座ってた奴が突然話をふってきたけど、呆れが顔に出てもうた。