ボッ!と一瞬で赤くなったあたしを、昴は愛おしそうに見つめて笑う。
「カワイーッ」
「んなっ!」
やっぱり無理! しばらくは恥ずかしくてしょうがないと思う!
「あ。ソーマ」
「え? はい?」
急に昴は湊磨を呼ぶと、大きく息を吸った。
「トール、オレのだから!」
わぁあああああああ!!!
「何言ってんの昴!!」
「――透? ……あぁ! 心配ないッスよ? 俺透のこと何とも思ってませんから!」
「「は……?」」
翔太と奈々が声を揃えたと思ったら、キョウと昴も目を見開いていた。
……は?って、何で? 何でそんな、みんな驚いてんの?
え……まさか……いやいや。
「……昴……ヤキモチ妬いてた?」
だから廊下であんなこと……?
「――…ソーマ、トールをスキなんじゃ……」
「俺が透を!? うはは! まっさか! この世に透しか女がいなくなっても絶対好きになんない自信あるッス! これっぽっちもタイプじゃないんで!」
ケラケラ笑う湊磨に、昴も奈々たちも唖然としている。
「オレ……ソーマにトール、うばわれるとおもってた……」
「えっ!?」
王子がそんな心配をしてたんですか!? 何それ可愛い……!
昴以外の人を好きになるなんて一生あり得ません!
「……ヨカッタ」
昴は安心したように、あたしに優しく微笑んだ。
なんだか昴と奈々たちは勘違いをしてたみたいだけど、これにて一件落着?
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