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冬休みが明けても、まだ正月ボケが直らない生徒たち。
1-3も例外ではなかったけど、相変わらず騒がしいクラスに嬉しい報告が入ってきた。
「うちのクラスに転校生来るんだと」
登校するなりクラス委員長の忍が言い、教室は一気にざわつく。
あたしと奈々と大聖は、昴たちと過ごした年越しの写真を見てる最中だった。
「まぁぁじでぇ!?」
「マジじゃね? さっき担任に聞いた」
忍は飄々としながらあたしたちのもとへ来て、机に散らばる写真を見下ろす。
「どんな子どんな子!? やばい超楽しみ!」
「知らねーよ。うちのクラスに、ってしか聞いてねぇし」
「はあ!? 使えなっ!」
「大聖、写真破くべきじゃね?」
「ぎゃー! ごめんなさいっ!」
慌てて忍の手から写真を奪うと、大聖が頭の後ろで手を組みながら「でもさ」と言った。
「どうせなら冬休み明け1日目に来れば良かったのにな」
「1週間遅れだものねぇ……。親の都合とかじゃないかしら」
大聖と奈々が写真から目を離して話し始め、あたしはウキウキと体を揺らす。
「仲良くなれるかな~? なれるといいねっ」
「女がよくね?」
「俺バスケしてる男がいい」
「出たよバスケバカ。これ以上ライバル増えても困るっつーの」
忍と大聖は「女!」「男!」と言い争ってる。
「奈々はどっちがいい?」
また写真を見始めた奈々があたしに視線を移して微笑んだ。
「どちらでも」
うん、興味ないもんね。
「透は? どっちがいいの?」
「うーん。あたしもどっちでもいいけど、可愛い女の子だったら嬉しいなぁ」
「あら。どうして?」
「うちのクラスは美人の奈々がいるから~可愛い子もいたらいいなぁって」
ニカッと笑ったあたしに、奈々は「ふぅん?」と言いながら微笑む。
「すっごく可愛い女の子?」
「うん!」
「男子が見惚れちゃうくらい?」
「うん!」