「……キョウは、宇宙人なの?」
「宇宙人? 何で?」
笑いを堪えながらも、一応聞いてみる。
「だって謎が多いから……地球に勉強しに来たの?」
透の後ろで奈々がボソッと「バカじゃないの」と呟いて、俺はたまらず吹き出してしまった。
「くくっ……まさか。俺は人間だよ」
「そうなの!? なんかね、キョウって人を和ませるのが上手いでしょ? だからきっと人間の脳を操れるんだと思ってたの!」
一度でいいから、透の頭の中を見てみたいと思う。
「いやいや……操れたらいいけどね。俺にそんな能力はないよ」
喉元を押さえて笑うと、透は「そっかぁ~」と言いながら眉を寄せて何か考え始めた。すると眉を下げて、透はちらりと控えめに俺を見る。
「キョウはさ、自分のこと話すの嫌い? 聞かれたくない?」
……今そのこと考えてたの?
「別に嫌じゃないけど……」
俺のこと知って、どうするの?
「じゃあ聞いていい!?」
パッと顔を明るくさせた透は興味津々って感じで、もちろん悪い気はしないので頷いてみせた。
「やった! 聞きたいこといっぱいあったんだよねっ」
……俺ってそんなに謎なの?
「ライアンは何でキョウの家にいるの?」
「ライアン? 勉強の為だよ」
「……勉強?」
透は目と口を半開きにして「うへぇ~……」なんて言って、俺の笑いのツボをごりごり押してくる。
勉強嫌いだからな、透は。