やっ……!
「パパー。おみあい終わりましたか?」
たー!とバンザイしようとしたあたしは、翔太と奈々から視線を外して後ろを見る。
「……ああ。もう終わるよ」
奈々のお見合い相手は今声を発したであろう子供を抱き上げた。
「悪いね。子守をさせてしまって」
「大丈夫ですよ。いい子にしてくれてましたから」
目の前で繰り広げられる光景に、サーッと全身の血が一気に引いていくのが分かる。
「――どういうこと!?」
「どういうことやねん!」
「What is that supposed to mean!?」
あたしと翔太と昴の声が見事に重なるほど、起きた現実を説明なしでは受け入れられなかった。
「とーるっ!?」
「ああ可愛いっ!! 好きっ!」
お見合い相手の人が抱き上げたのは、キョウの従兄弟ライアン。そして……。
「うまくいった?」
「おっ前! どういうことやねん!」
ニコニコと笑うのは、紛れもなくスーツに身を包んだキョウだった。
……まさかとは思う。
自分の頭に浮かんだ仮説を今すぐ抹消したい。本当に信じたくないけど……。
「奈々ちゃん? まさか……ねぇ?」
そんなはずないよね?と思いながら恐る恐る笑顔の奈々を見る。
「楽しかったわ」
ハイやっぱり奈々の陰謀でしたーーっ!!