「そっか・・・

えっと・・・じゃあ・・

あの・・・」


まだグズグズしてる俊太


「好きな子デートに誘う訳じゃないんだから

八十八に電話なんて簡単でしょ?」



私は何故か面白くなくて


ちょっと気も立ってきて


キツイ口調で言ったら



「八十八兄ちゃんは特別なんだよ!」


そう言って俊太が逆切れ


「な・・なによ、俊太ってホモな訳?」


今まで言われてばかりできたから


たまには、このぐらい言い返したって・・・

いいよね?



「ほ・・ホモな訳ないだろっ!」


「じゃー好きな子いるんだ?」



なんでそんなこと聞いてるの・・・私



「ああ、いるよ!」


怒ったように言う俊太


恐い顔してこっちを睨みつけてくる。



「だったら、八十八じゃなくてその子を誘えばいいじゃない?」



なんでムキになってこんなこと言い合わなきゃなんないの・・・?



俊太が好きな子が『いる』と言った瞬間

私の胸がチクッ!ってなった。



「ああ、その子を誘うつもりだよ!」


ご自由にどうぞっ!



もう来るな!

さっさと帰れ!


俊太が誰を好きだろうが関係無い!



カウンターの上に置いた買い物袋を俊太が無造作に取り上げ



瞬間



「負けちゃえ」





そんなこと


言っちゃってた。



「性格もブスなんだなコメコって!」


俊太が

吐き捨てるように言って出て行って


俊太の後ろで自動ドアが閉まったあとで



「何て酷いこと言っちゃったんだろ・・・」



あとから後悔したって・・・


遅すぎる。



でも・・


「性格もブスはないでしょ!?」



俊太も・・・酷いよ