パジャマのボタンを留め終えた私
『悪さなんかしてない』とか平気で言ってる俊太に
小声で
「しようとしてたくせに」
と言ってみた
ら
瞬時に
「じゃ、じゃあ待ってるから。
気を付けて帰って来てね!」
電話を切った俊太。
「八十八帰って来るって?」
聞くと
「うん。
ってゆ~か
八十八兄ちゃんに聞こえるからダメだって!」
いつの間にやら
俊太
耳まで真っ赤?
さっきのこと俊太の方が平気そうだと思ったのに?
「聞こえないぐらいの声で言ったよ。」
「絶対に聞こえてる!
八十八兄ちゃんの地獄耳だから。」
『八十八兄ちゃんの地獄耳』なんて俊太が悪口言うとは思わなかった私。
「八十八が恐いんだ?」
からかうように言ってみた。
「決まってんじゃん。
八十八兄ちゃんの信用無くして嫌われたら終わりだと思ってるよ。」
へっ?
ちょっと・・それ何?
「だって、コメコが言ったんだろ?」
何を?
「八十八お兄ちゃんに嫌われるような人は舞子も嫌いだって。」
いつそんなことを?
完全に
キョトン?
状態の私に俊太が
「覚えてないわけ?」
話てくれた。