「八十八は?ゆいはどこ?

やそや~

出てこ~い!」


メチャメチャ美人

だけど

容姿に似合わず

すごい剣幕の女が一人・・・


私の後ろに向かって叫ぶ。


まさか・・・この人?


と思ってるうちに


「上がるわよ。」

って勝手に私を押し退けて



ズカズカ上がってく


「あ、あのう・・・」


止められる感じじゃないこと

分かるから


「八十八なら二階に・・・」

そのまま通す私。


どうなっちゃってるんでしょう?


だけど

ちょっとこの展開に興味津々?



「あおいお姉ちゃん!」


階段を上りかけたところでゆいちゃんが急いで下りて来た。


「ゆい無事だったのね!」


ゆいちゃんを抱きしめる『あおいお姉ちゃん』と呼ばれたその人。


ふむ・・・どうやらこの人が八十八の?


と思った

けど

「あおい、何やってんだよ?」


八十八のその態度


階段の上から見下ろし

なんだか尊大な感じ


好きな女を前にしてる風に見えない。


「何って?


ゆいが八十八のとこに泊まってるなんてゆ~から心配して来たんじゃない?


わかってるの?ゆいは、中学生なんだからこれって犯罪よ!」



「犯罪だよねぇ・・・」

思わず私も言っちゃった。


するとあおいさんが私の方見てウンウンと頷き


また八十八の方を向いて


「親がいいって言ったからって私は認めないわよ!

家庭教師として紹介した私にも責任があるんだから!


何が婚約よ!


まさか八十八がゆいに


中学生に手を出すなんて!


このロリコンのヘンタイ!」


八十八に向かって捲し立てるあおいさん。



「ロリコンのヘンタイ?」



八十八のこめかみがピクッ!ってなった。



「あ、あの・・私と俊太も一緒に居ましたから大丈夫です。」


あおいさんに言う私。