「おはよう、咲!」
「おはよう!」
私は、教室に入るなり、寝癖だらけの髪を整えながら、慌てて席に鞄を開く。
「そうそう!咲の彼、ずっと咲が来るのを待ってたんだよ?声掛けてきてあげたら?」
私の友達は、お節介の子ばっかだ。
確かに気を利かせてくれるし、良い友達なんだけど……今日ばっかりは、大迷惑!!
こんな、見るからにヒドい髪だし、とてもじゃないけど、恥ずかしすぎて窒息しちゃう程。
だから、今日は御堂(ミドウ)君に、わざわざ先に行ってて貰ったのに。
私は、うまくごまかして、女子トイレに逃げ込んだ。