そう!そもそもは――
「陽の力を持つなら、それなりに鍛えて貰った方が、俺達にとって良くないっすか?」
――の、布袋の一言から始まった。
大体、相手は神様なんだし、所詮、私が強くなったところで、人間は神の力には及ばないんだと、最近は、開き直りはじめている。
あの夜。全く手も足も出せなかった事が、私にはかなりの衝撃だった。
相手は神。
だから、仕方がないと思わなければ、私はまた、再びその力を前にした時、立ち向かって行く事が、出来そうになかった。
「よし、俺が相手してやる」
突然、大黒天が立ち上がるなり、正面で身を構え始めた。