十字路を全力疾走のまま曲がりきる。


戦車は、コンビニのガラス窓をブチ破って私を追ってきた。


嘘でしょ!
絶対あれ人ひいてる!
絶対人ひき殺してるって!


私は鞄を放り出して、オリンピックの短距離選手ばりに両手を振り上げた。


戦車の入れない狭い裏道に飛込む。


追ってくる戦車の音が遠ざかっていった。


逃げ切った?


なめんな。伊達に50メートル走学年一じゃねーぞ!


一息ついて後ろを振り返ると……




戦車はウィリーの様に片輪走行で裏道に潜りこんできていた。



「ひぃぃ〜〜」


思わず間抜けな悲鳴が漏れた。