「行ってきまーす」

私は坂野あや。中学3年生。

今年は受験生で何かと忙しい。

だけど・・・勉強には心配なく、毎日楽しい日々を過ごしている。

『あや!ヘルメットー!!』

いつものように、お母さんが玄関から走って来る。

今時、ヘルメットなんかダサくてかぶらないのが格好いいのに・・・

『いい!かぶんないっ!皆がぶってないんだよー、ダサいよ。』

そう言い聞かせて、いつもヘルメットをかぶらず登校している。

これが私の学校では普通なのだ・・

かぶってたら、内申はいいと思う・・だけどダサくて「まじめ」って

思われるから...

『おはよー!』 友達の結衣(ゆい)が言う。

『おっは~!あれ?結衣なんでヘルメットかぶってんの??うける~♪』

驚いた・・結衣は授業中でも携帯を普通にいじってるし、

スカートの丈は全校生徒の中で1番短く、荒れている方の結衣が・・

『昨日、緊急連絡こなかったの~?ウチ等の学校のさー1年が昨日、事故ったんだよ!?

警察はヘルメットをかぶってたら90パー助かってたんだって・・』

どーでもいいし・・まず事故るほどニブくないしー

『で、その1年死んだの??』

『縁起でもない事を・・いや~今行き先の病院で意識不明やってよ。

やばくな~い?』

『でも・・ヘルメット着用して格好悪くな~い?』

これは本音だ。ヘルメット着用とか自分には信じられない。

『死にたくないし~♪それと受験生だしね♪じゃバーィ』

そう言って、結衣はギャル男軍団の中に入っていった。

不良とツるんでてアジトまで作ってた結衣が・・まじめだなあ~

『ま・・私には関係ないし。』

そう言って、教室に向かった。