「俊、眠いんだけど…」
「俺に言われてもな~。何?寝てないの?」
「昨日寝たの3時」
「今日じゃねーか。ハラダミサキのことでも考えてたのか?」
う…図星だ…。
「元気出せ。転校生のお出ましだ」
ハッとして目を凝らすと、先生の足音と、小さくて鈴のような声が聞こえる。
キタ…これはキタ…
これは絶対に
美人だ!!!!!
――ガラッ
「喜べ、転校生だ」
ドアから首だけさし、ニヤッと笑った担任の言葉に
「うおぉおおぉおおぉお!!」
という男子の声。
「先生ぇ!女子!?男子!?」
「せーんせぇ!可愛い?」
という女子の声。
「男子喜べー女の子だー」
「いやっほおおぉおぉぉぉおう!!!」
更に高まる男子の声。
俺と俊も、それに便乗して騒ぎまくった。
こうやって、美咲の目の届くところで
興奮したり、女子をハヤしたりするのは
俺のちいさな作戦。