「これは……」
「魔王殺しだよ」

コラトは叩いた手を広げて言った。

「これを勇者が使えば、魔王の命も魂も力もその場で消滅する」

「確証は?」
「ないように見えるかね?」

「すでに他の魔王で試したと?」
「それは機密だ」

コラトは答えを拒否した。
ただ、自分がもった感覚で分かる。

勇者と名がつく者がこれで魔王さまを切れば、魂と力はともかく命だけは失われる。