まともな刀剣の使い方は、学んだことはない。
よって、ただ持ち上げただけの姿勢。

そこからとてつもない速度で刀が振り下りた。

ブォン。

誰も刀の動きが見えなかった。
空気を切った音が聞こえただけ。

「軽いですね」

シルキスが言うと、
コラトは驚愕の顔を崩し、手を叩いて喜んだ。

「素晴らしい。これで魔王が殺せるぞ」

なんてことだ、シルキス自身がそう思った。

……これなら一撃だ。