「大刀に皮の鞘?」

相手の反応を見るために、シルキスは見たままのことを口にしてみる。

「これが一番都合がよくてね」

コラトは、笑みで返す。
そして、笑みで命令してきた。

「抜いてみたまえ」
「素手のままでよろしいですか?」

「もちろんだ。それは美術品ではないからね」

シルキスの返答が素で気に入ったのか、コラトの笑みが増す。

シルキスは立ち上がり、刀の柄に手を伸ばした。

呪いの可能性もあるが、意識を集中させておく以外に抵抗手段はない。