分かっている平常心だ。

幾つもの目が光る前でシルキスは真剣な表情をつくり、コラトの次の言葉を待った。

コラトもまたシルキスの反応を待っているようであったが、シルキスが黙っているようなので先に動いた。

「これだ」

脇に控えていた軍人達に合図ををすると、大きな鋼製の箱がシルキスの前に出された。

複数の錠が外され、蓋が開けられる。

中に入っていたのは剣。
皮の鞘に包まれた大刀だった。