リズは、言う。

「私達は、人間の皆さんと和解した一族なのだから。いつまでもそんな口の利きかたしてちゃダメ」

シルキスは、訊いた。

「リズさんはずいぶん人慣れしてますね。今の職について長いのですか？」

「はい。小さな頃から巨鳥の世話と空港開発に関わって人間の街を飛びまわってきましたから」

「文字通りですね」
「ふふ、うまいこと言っちゃいました？」

シルキスが言うと、リズは嬉しそうに応えた。
キーヤがぼそっと言う。

「つまねーよ、ボケ」

ガッ。
今度は足が入ったままの靴裏がキーヤの顔面に入った。

どういう動きで蹴ったかは分からない。
器用なエルフだ。

「まあまあ、僕からすればこいつの反応が普通ですから」

シルキスは、少しだけキーヤをかばってやった。