桶を使うと見せかけて、両手ですくって連射した。

「きゃはははっ」

嬉しそうに、手の桶で身を守まもる魔王さま。

「そんなものか、だらしないぞ」

楽しいからもっとやれと、挑発する。

シルキスは、やればやるほど魔王さまは喜ぶと知りつつ水かけの速度をあげた。

たまに角度を変えて、桶をすりぬけるように水をぶつけてやる。

「うはっ、うわー」

水が当たるたびにはしゃぐ魔王さま。

シルキスが少し手を休めると、今度はこっちの番だと水を汲みにくる。

水溜はひとつしかないので、自然と接近戦。