「転ぶなよ?」



クスクス笑いながら声をかけると、




「そんなにドジじゃないもん!」



少し頬を膨らませながら振り向いた。




その時、振り向きざまにバランスを崩したのか奏の体が傾く。





「ちょ…奏!」




慌てて繋いでいた手を引き寄せる。





その勢いで、奏は俺の腕の中にすっぽり収まった。