私は、憑き物が落ちたかのように、打って変わっていった。


墜ちていったのだ。


墜ちたとは、恋に墜ちた訳でも、穴に墜ちた訳でも無い。


奈落の底に、墜ちたのだ…

深い深い底は、上を見上げても天(そら)は見えなく、暗く寒く死臭さえも漂うかのように、錯覚さえも感じられる。



深い闇は、私から離れない…


私は、魂(こころ)を、あの日あの時あの場所へ置いてきた。


置き去りにしたまま、私は逃げてきた。



その日から、私は私であって私じゃ無い…



あの頃の私は、もういない…


あの頃の私は…