「優−
あけるよ−」
私はそっーと
優の病室のドアを
開ける

「優−?」

気持ちよさそうに
ねている優を
見て私は
ほほえむ

「優明日退院だね」

私は寝ている優に
話しかける

「ねぇ優私
カナダに行くかも

でもね
行きたくない
気持ちもあるの……

不安だし

お母さんも心配だし」

優が
少し動く

「うそ

私起こしちゃった?」




「………美咲」




「え?」

優……
私は美咲ぢゃない

その名前を



呼ばないで


お願い

呼ばないで……