~♪~♪~♪~
夏祭りから数日、初めての名前がディスプレイに表示された。
―着信。大斗―
『はいはーい?!大斗??』
〈もしもし?片桐さん?―・・・!!うわっ待て!!イッテェ!!危ねぇな!!〉
夕陽は携帯を耳から外して見つめる。
何事??
〈おぃっ取るな!!ハンドル!!俺はまだ死にたくねぇ!!〉
『おーい…大斗くん…?』
大斗が叫び声を発する画面に向かって話しかけた。
〈何すんだっ?!〈うるさいわねぇ?!死にたくないと思うだけ成長したわね?!とうでもいいからあんたコレちょっと運転しててよ!!〈ヤメロっ車は無理だっろっ!!〈―…もしもし??夕陽ちゃん?!〉
『咲さんっ?!』
〈はぁい♪咲ちゃんです。夕陽ちゃん今日暇?〉
『えっ?あ!?はい!!』
〈よかったぁ♪今から誘拐しにいくね♪ちょっとバカ男。平気だって♪早く道案内しっ〈ゴメンね片桐さん!!待ってて〉コラー切るなーっ!!〉
ツーツーツー。。。
えっと…嵐が…去った…?
とりあえず、出かける準備よね?
しばらく携帯を眺めて我に還った夕陽だった。
ピンポーン!!
間もなく大斗と咲がやってきて促され車に乗り込む。
はやっ!!
『ごめんねぇ大斗のバカが車運転できないからさぁ』
『当たり前だ!俺は15だ!!出来るか!!』
『バイクは無免で乗るのに?!』
『キャハハー!!夕陽ちゃんイイ突っ込みぃ♪』
ったく…うるさい女が2人になったじゃねぇか…?
咲は超ご機嫌。大斗は不貞腐れ顔。
あれよあれよという間に連れて来られたスーパーマーケット。
『大斗荷物係ね』
咲はカートを大斗に向かって滑らすと次々に品を入れていく。
「退いてやる!!地獄に落としてやる!!」と咲の背後からカートごと近寄る大斗を夕陽は止める。
咲は、あっという間に会計を済ませ、やって来たはスイートブルー。
両手に荷物を持たされた大斗はブツブツ文句を言いながら階段を降りて行く「蹴ってやるっ!!地獄に落としてやる!!」態度の悪い大斗を見た咲が、背後から足を伸ばすのを夕陽はまたもや一生懸命止めた。
なによ?この2人?危ないしッ!!
たじたじの夕陽だった。