『夕陽ちゃんは大斗のクラスメイトだよ』

咲が話を替えてマスターに言った。

『あたし、大斗の学園生活想像すると怖い…更にきょうちゃんと同じ学校よ…どう?!』

夕陽は頭をブンブン縦に振る。

さらに参ったという顔で「最悪です」と付け加えた。

『テメエやっぱり醤油入れてやる!!つーか自分も勉強するから、俺には高校行けって言ったのは誰だよ?!受かったんだ偉いだろぅが俺様』

『そうなの夕陽ちゃん、あたしジュエリーデザインの勉強するって、それで大斗けしかけたんだけどね、コイツ案外勉強できたから腹立つの』


確かに、意外と言うのはなんだが、大斗はトータルすると夕陽より成績が良かった。

『いいじゃないか?その上で悪さしてるんだろう大斗は。やれるだけやっとけよっ』

マスターはそう言って大斗の肩をポンッと叩く。

『マスターはやっぱり俺の味方だな、師匠♪』

満足そうに彼は答えていた。



『大斗君?』

そこへ大斗を呼ぶ声。

少し離れた席に女の人が座る。大斗は呼ばれた方に行ってしまった。

『もう、マスターが大斗に余計な遊びを教えるから、あたしの教えと合わさって、ついにはあんな最悪な人間ができちゃったよ。』

「参った参った」と大斗を指差し咲は言う。

『今の内に沢山好きな事して遊んでおけばいいさ。特に大斗みたいなヤツには大事な事だよ。いつか気付くまでねっ』

マスターも大斗を見て言う。咲は柔らかく笑っている。


どんな意味があるんだろう…謎だらけ。


マスターと咲の会話を聞きながら夕陽も大斗と女の人が話す姿を見ていた。


『あ!!そろそろ仕事行かなきゃ♪またね夕陽ちゃん』

思い出したように言って、咲はあっという間に出て行ってしまう。


ここにはマスターと夕陽2人になった。


『大斗、学校ちゃんと行ってるかい?』

夕陽は"ほとんど来てなかったけど最近は…"とそこは飲み込み

『っと来てますよ』

と答えた。以前大斗が「マスターに学校こんなに来てないのはバレてない」と言っていたのを思い出したのだ。