『あれ?、いらっしゃい♪』
『しげじぃっ♪お邪魔してるよーん?!』
頭の後ろから声がして振り向くと、ドレットヘアのスラッと背の高い男の人が立っていた。
30代半ばくらいか、お洒落で「じぃ」と呼ぶには似つかわしくない容姿だ。
『コラ咲。じぃじゃないしね』
と「参ったな」って感じに笑っている。
『初めまして、マスターの結城蒼(ユウキシゲル)です。可愛いいお嬢さん会えて嬉しいよ、よろしくね♪』
と気さくに夕陽に話しかけて手を伸ばす。
『マスター。こいつ可愛くないよ、ちなみに色気もねぇ』
大斗が横から口をだす。
『え?そうなの?カワイイじゃないか?』
マスターは平然と惚けたように言う。
『だって、こいつ最近スカートの下に体操着の短パン履くんだぜ?パンツくらい見せろって話だよ』
さぞ"おかしいのは夕陽"という様子で悪びれなく大斗は言う。
『うるさいわねっ!!アンタにとやかく言われたくないわ!!大斗がスカートめくるから履いてるんでしょ?!バカ!!エロ!!
よろしくお願いします、店長♪片桐夕陽です♪』
夕陽は大斗に歯向かってからマスターに向きを変え、握手をして可愛いく答えた。
大斗はクックックッと笑っている。
『店長ではありません~マスターでぇす♪そして男のロマンはパンツでぇす』
と答えたマスターは握った手をブンブン振った。
咲は「セクハラー」と笑っている。
なんだか変な人。口を開かなきゃ相当な男前なのに、変なノリ!大斗の周りには強烈なキャラばかりじゃない?
『ちなみにパンツは何色だった?』
マスターはカウンターに入ってくると夕陽と咲にも聞こえるように大斗に耳打ちする。
「まだ言ってるしぃ~」咲は楽しそうだ。
『よっ!!しげじぃ店長!!』
大斗も隣でこんなことを言って、とても楽しそう。
夕陽もだんだんつられてきてしまい、
『黒のTバックよ?悪い?!』
と切り返す。
『『うそぉ!!見せて♪』』
すかさず大斗とマスターの声が被った。しかし続けて
『こいつ嘘だぜ?!』
大斗は「やれやれ」と言い答える。