大斗は率直な感想を伝える
『誉められてる気は全くしないけど、珍しいってそのまま返すわよ。あたしの周りにも神崎君みたいな失礼な人、居ないから』
おぃおぃ。
そのセリフはお前が失礼だって。
喧嘩売ってんのか?
『でも素のが本来はいいじゃん。作ったまんまでいると、その内シンドクなるし。って結構いつもそんなか、あたし。』
窓に視線を向けて流れる人を見つめながら言う。
そして大斗に目線を戻して、さらに続ける
『ほんと出会いか方が悪かったよ。あれは、自分でただの恥ずかしい人じゃんって、思う…』
少し恥ずかしそうに今日、1番長い文章を話し終えた。
変な女は自分が恥ずかしいヤツだって気付いていたらしい。
それに案外普通に喋るヤツじゃないか
大斗は楽しそうだ。
『あたし別に言葉が少ないわけじゃないよ。初対面の人に色々喋るほど社交性がないだけ、嘘つくのは下手だけど…』
可愛い顔して冷めた事を言う。
黙っていたら可愛い女子高生なのに。
肩まであるストレートの茶色い髪の毛と童顔が台詞とあまりにも合ってない。
『あたしだって、普段はもっと人と関わる時、ちょっと可愛くするよ。なんか神崎君の場合、そのタイミング逃しちゃった。…―そもそも門のとこで急に現れすぎよ』
普段は可愛い振りとかしてるんだね…?
それに、ぼーっと歩いてたのはそっちだし
どうやら開き直った様子で溜め息ひとつき、彼女は軽くカミングアウト。
『恐いっ女子高生ってっ!』
そんなアッサリ暴露していいのかよ。
この容姿である。
大斗の周りには我こそはと隙を狙って近づいてくる女の子ばかりだった。
その子達は当たり前に可愛い上に更に可愛い子振る。
大斗は、それをわかって都合よく付き合っているのだが。
この女も本来ならそういうタイプなんだろう?
しかし今は理由はどうあれ、可愛い素振りを見せない彼女に大斗は興味深深々。