泣きわめきながら咲は当たり散らす。


あっという間に部屋はグチャグチャ。

彼女の暴れる姿を見て泣き出した。


『あんた男でしょ?!泣いたら収まるってもんじゃないわ!!』

咲が掴みかかる。


「殴られるっ」と目をつぶったが、咲はそのまま、

胸に顔を埋めてきた…


『あたしだって泣きたい!!毎日我慢して、辛くて、好きな人は外国にいて、独りで…』


ッッうわぁぁん!!!


咲は泣いた。

大泣き。


何も成す術無く、ただ胸元の彼女をそのまま抱き締めた…


どれくらい経ったのか?


ふと顔を上げた咲と視線が絡んだ…

そして気持ちも絡み出す…


言葉なんて必要なかった…


そのまま布団に倒れ込んだ…


どうしたいかなんて分からなかった、ただ本能がお互いを求めるままに重なり合った。





『咲…』



小さな布団に2人並んでいる。

小さな声。

コンビニで自分の名前を名乗って以来、初めて咲に発した言葉…



『焼きうどん買ってくれてありがとう…』



『焼きうどん?なにそれ?』


アハハーと咲は笑う。


『いつのことよ?でも覚えてるよ』


やっとお礼が言えた…


そう思って小さく笑った。


『ねぇ?暴れちゃおうか?気持ち良いんだよ♪』


「来て」月明かりだけの深夜2時、裸で2人はハチャメチャな部屋を更にメチャメチャにした。

物がないのにどうやったらこんなになるんだろう?何もかもを破壊した。