『咲とはさ、付き合うとかじゃないんだ。なんだろうね、俺等もわからん。俺小6ん時色々あって、咲に出会って。その後両親死んで、今までこうして居る』
ゆっくりと…木々が揺らめく…
『身体を重ねても俺らは、それでも何も変わらない。ただ咲は特別、他の女とは違うんだ。何なんだろうね…?』
夕焼けが綺麗。
身体が茜色に染まる…。
『ヤッベェッ!!!』
え?!
『オレ等水汲みに来たのにっ』
大斗は勢い良く立ち上がる
『また続きは今度ネッ。謎があるほうがカッコいくね?』
なんて言って、何時ものように「早く行こ」と先に歩いて行く。
『ちょっと…!?え?待ってっっ!』
夕陽は不意に切られたシッポリした空気を置いて慌てて大斗について行く。
あたしの話し…
「聞きたいことが…」の答えになったのかな?
神崎君の話しはわからないことだらけだし…。
ただ、そこに咲さんが関わっていてるんだって事は知ったけれど…
夕陽にしたら聞き返したいことばかりな衝撃的な話し。
反応すら困る状態なのに…
ヒョウヒョウとしている彼は、最近の流行りの歌を口ずさんで歩いてる。
気分が良さそう…
どうして、そう居られるの?
わからないことがまた1つ増えちゃった。
『早くスイカくいてー♪』
怪訝そうに見る夕陽に
『夜のスイカ割りって面白そうじゃね?』
さっきの雰囲気どこそこ本当に楽しそう。
だけど、急いで戻ったら、みんなは花火の用意をしていて、朝大斗が命掛けで冷やしたスイカはすっかり食べられていた。
『ひぃったら、イイ男独り占めしちゃってー♪』
大斗ファン杏が彼氏居るのにからかってくる。
『大斗君ったらこんな時間まで、いかがわしっ』
恭次が続ける
『夕陽ちゃん、大斗バカだよねー♪』
脈絡なく咲。
あたしはなんだか咲さんが、いつもよりずっと輝いて見えた。
『俺のスイカ…』
大斗はみんなの話しは丸で無視して呟いていた。
暖かい風が吹いていた…
とっても気持ちがいいなぁ…。