きっ気になるっ…


遠目から見ていると…

『片桐さーん!!』

名前を呼ばれて振り向くと大斗が手招きをしている。

『何ぼーっとしてんだよ?暇なら、ちょっと水汲み手伝え』

大斗は言って、ポリタンクを持ってスタスタ歩き出した。


南深達を見てたの気付かれたかなぁ?


夕陽は何となく気まづくて、素直に大斗について行った。


――――――


『あの2人の事、気になる?』


夕陽が追い付くとサラリと大斗に言われた。


ず…図星をつかれました。


『うん…』

『本当に恭次もバカだよ』

『えっ?どういう意味?』

大斗の呟きが良くわからない。


『ちょっと、こっち行ってみようぜ』


大斗は答える代わりにそう言って水汲み場にタンクを置く。

指差した先には木が茂って林みたいな所があった。


もうっ相変わらず勝手。


そう思いながら夕陽は付いていった。


少し歩くと、これから川に繋がるであろう、小さな小川に辿り着く。


『いいとこめっけ♪』

大斗は嬉しそうに言って岩に腰掛け煙草を点ける。