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「あんた…何してんの…?」
あの時来てくれたのも…
「嫌だ…大斗の心が…苦しいって言ってるままが…嫌だ…」
言葉も…
「泣、いて…いっい、んっだ…よ…ッ」
体温も…
「大斗が…泣か…ない、なら…あ…たしが、あたしが代わりに…泣…く…。おと、このこは…ひろ、とは…いまは…もう…泣か、ない…人だ、から…」
涙も…
「謝…ら、なくていい…、謝る…必要、なんて…なにも…ない」
細い腕いっぱいの力も…
キスだって…
「あんたは究極のバカだけど、あたし嫌いじゃないよっフフっ」
全部…
「咲さん、元気かなぁ…?」
「咲さん…思い出す」
「あの優しい桃色は咲さんみたいだよ」
桜を…
そっか…
「あたしは、咲さんの代わりでしょ…? 」
あぁ…そっか…
あいつが、俺の傍に居るのは、
咲の代わり…
咲に置いてかれたって、そんな俺に
「咲さんみたいに大斗の力になりたかった…」
同情…か…
あーぁ
何だよ、ソレ・・・
なんか
もう、全部どうでもいーや
あいつにとったら俺も周りの男らも大差ない…
考えたら当たり前の事だったのかもしれねぇ
俺だって夕陽を襲ったのと同じじゃねぇか。
だせぇ…
何が「好き」だよ。
何だよそれ。
もう、全体くだらねぇよ…
「あたしは…咲さんみたいに絶対的な愛なんて…あたしは持ってない」
暗い。
真っ暗だ…
世界が…
また暗くなった…
「こんな雪の日はね、何か新しい事が起こるんだ。粉雪が瞳に見えない"何か"を運んでくる。その"何か"を見つけられるかは自分次第なんだよ。」
粉雪が持ってきたものは…
結して良いもんなんかじゃない…