『―ひろ…とは…あたしが、隙だらけ…だから、キスするの…?』

そして突然言った。

更に…涙は流れだす…


『は?何言ってんだよ?そんなわけねぇだろ?関係ねぇ…。』

大斗は酷く辛そうな表情をしていた。


『関係…ないんでしょ?大斗にとって…あたしは…』

そこに夕陽は、思い悩んでいたことが口から溢れてしまう…


『ゆうひ?何言ってんだ?!』

少しイライラしながらも大斗は答える。


『大斗は…何であたしに…キスするの?大沢君、あたしは…簡単にやれるって…思ってる。大斗も…そう、思ってるの?』

ポロポロ流す涙と一緒に紡ぐ…

『はぁ?!そんなことあるわけねぇだろ?!!何だよソレ!?!』

『じゃぁ…何で…?』


『そんなのお前が特別で、大事…だからだ』



特別なんだ。

お前のこと

好きすぎて

どうしようもないんだ…

わかってくれよ…



『大斗は…特別が沢山いる、の…?』

『はい?本当に意味わかんないよ。お前は一体何が言いたいんだよ?』

夕陽の上から大斗は問う。

『昨日…本当は…聞いちゃったの…菜穂ちゃんとの話…大斗の特別な人は咲さんでしょ?』


『おい―『あたしは咲さんじゃないよ』

夕陽は大斗の声を遮り話続ける。


『咲さんみたいに大斗の力になりたかった…けど…』

力ない夕陽の声。

『お前…何言ってるんだ…?意味わかんねぇ』


『あたしは…大斗にとって咲さんの代わり、でしょ…?』

『何だよそれ?咲とお前は違うだろ?』



違うだろ?

咲とお前は違う…

伝わんない…



『本当に…そう?』


夕陽は更にわからない事を言い出した。


『咲さん…がN.Yに行ってなくても…大斗はこんなにあたしに構うの…?』

『いい加減にしろよっ!!』


バカな事を言うなよ。

なんで、伝わらないんだ…


『きっと、無いと思う…よ。大斗が咲さんの事、大切だって…良く知ってる…大斗は寂しすぎて…惑わされてるだけ…でしょ…?』

『夕陽…』