大斗は夕陽の涙を拭う。
『もういいから…もう…やめてくれ…』
これ以上、何も言わないでくれ…
『ぐずっ…ひろ…と』
名前なんて呼ばないでくれ…
あーあっ!!
駄目だ…ッ!!
バッ
夕陽は自分の頭を撫でていた大斗の手に引き寄せられた。
少し浮かされた身体。
えっ?!
と反射的に夕陽はベッドに手をつき自分の身体を支える…
すると、そのまま…
更に引き寄せられて…
優しく触れられた。
ぶつかったのは大斗の唇。
そっとされた
キス…
『ひろ…『喋るな…』
言葉を落とす前に再び唇は塞がれた。
今度は…
更に深く…
大斗の強い力に抱き締められる。
何度も顔の向きを変え入ってくる
深いキス…
夕陽の力で身体を支える必要はもうない
大斗の腕の中…
彼の…強い力…
朦朧としながら…
キスに答えてしまう夕陽…
駄目…
キスなんてしたら…
駄目…
もう…
あれ…?
あたし…?
涙が溢れて…
それが頬を伝った時に、夕陽は自分が泣いている事にやっと気が付いた…
ぽすん…
大斗はキスを続けながら夕陽をベッドに倒す。
『ぐずっ……』
夕陽が涙目で大斗を見つめると…
再び落ちてくるキス
『ひろと…』
『いいからキスさせろ』
俺は…お前が好きすぎて堪らないんだ。
もう止めらんねぇんだ。
もっとキスさせてくれよ…
『ひろ…やぁ-っ…。』
少し唇が離れた時に、消えそうに聞こえた夕陽の声…
『やなのは俺の方だ…』
あんなにされてるの見て、やなのは俺の方だ…
大斗はいつかのように夕陽の身体を覆う。
そしてキスをする。
夕陽は今度は顔を背けて
『い…ゃ…ぁ…』
この涙は…
恐かったからじゃなくて…
これは…