全く思考回路が動かなくって…

恐くて

動けない…震えが…



ドンドンドン!!!


その時ドアをを叩く音。

『あーぁ、バレちゃったかなぁ~?!ま、鍵掛かってるけどね〜』


大斗っ助けて!!


傑は構わず夕陽の髪の毛を肩から払いのける。

『ね?俺にしなよ』


彼女の顔に近づき呟く…


嫌ッ!!


夕陽はきつく瞳を瞑った

震えながら、動かせたのはそれだけだった…


ガッシャーンッ!!!!!


もの凄い音。


夕陽のぶつかる壁の向かいにある窓。

鉄琴と共にそれは割れて音楽室に砕けるガラス。


『こんにちは大沢君♪?』

そこに恐すぎるほどの笑いを浮かべた大斗が立っていた。

彼はベランダを伝って準備室から持ってきた鉄琴で窓を破壊し入ってきた。

『考えれば、単純なことなんだよねぇー。何か悪いことするなら音楽室か視聴覚室なんてさぁ♪AVも役に立つねぇ♪お前も単純♪』

クスクス笑う大斗。

『防音室ばんざーい』

余りにも怪しい笑みで、空気が凍りつく。


唖然とする傑に近寄る大斗は彼の肩に手をかけて

『なんなら、さんにんでする?がっこうぷれい♪』

ニヤリと冷たく笑い夕陽から傑を離す。


『何だよ?!つまんねぇの。神崎も廃れたな』

傑はばっと大斗の手を払う。

『片桐夕陽もつまんないよ、俺3Pは趣味じゃないしね』

そして夕陽を見て言うと舌打ちして音楽室から出ていった。


夕陽はぺたりと腰が抜けて座り込む。

依然言葉が出ないまま、目の前に立つ大斗を見上げる。


『何、やってんだよ…?』

小さく大斗は言葉を落とした。


『何された?』

見上げた大斗の心配そうな顔。


夕陽は何度も首を振る。

大斗は自分のシャツを脱いで夕陽にかけ、ため息吐くと彼女を抱き上げた。

そのまま音楽室を出ていく。

幸い廊下には誰もいなかった。


『ひろ…』

『黙れ…』

表情無く彼は言う。

『喋るな…』


夕陽が連れて行かれた先は保健室だった。