―――――――

『おい!!』

『神崎?!』

呼びかけられてビックリした顔で言ったのは雅。

大斗が来たのは6組。夕陽のクラス。

目に映った中で大斗が知っているのは雅だけだった。


『あいついる?』

『あいつ?』

『夕陽』

『はい?!』

何で?と驚く雅を見て少し機嫌が悪い声で

『だから夕陽学校来てる?』

と大斗は再び聞く。

『だって…あれ!?何で?夕陽ちゃんと待ち合わせしてるんでしょ?居なかったの?』

『はぁ?何だそれ?』

『へっ?何か、夕陽ちゃんが傑が神崎から伝言されたって言って…あれ?』

『ちゃんと日本語喋れよ?伝言?何だよ?傑?誰だよ?』

『大沢傑。神崎のクラスじゃん?』


大沢…傑…

あぁ、あいつだ。

馴れ馴れしく夕陽を名前で呼ぶ失礼なやつっ


『何であんなヤツに俺が伝言頼むんだよ。そもそも俺はそんなややこしいことしねぇよ…』

イライラながら大斗は言った。

『え!?だって神崎に呼ばれてるって…夕陽ちゃん、どこ行ったの?』


はい?

戸塚の言ってる意味がわからない…


『夕陽は俺に呼ばれてどこに行ったんだ?』

きょとん。と状況把握できない大斗は抜けたことを問う。



大斗は夕陽に携帯をかけるが…

『でないし…』


―…ッ!!

なんか嫌な予感がするっ


大斗は走り出した。


――――――


『本当に来ちゃうんだ?』

『え…?大沢…君…?何で?』

『神崎の名前だしたら、夕陽ちゃんは疑わずにのこのこ来ちゃうんだね♪』

笑いを浮かべて傑は言った。


夕陽が振り向いた先に居たのは大斗ではなく、大沢傑。

ガチャリと音楽室の鍵がかかる。


『え…?何で…?』

『だってさ、夕陽ちゃん俺が誘っても乗らないし、神崎止めろって言っても駄目だしさ』

『え…ちょっと、どういう…こと?』

ゆっくりと夕陽に近づく傑。


『だから、遊ぶなら俺とどうって事♪』

『えっ…?!!』

夕陽は壁に向けて後退りする…