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『ノートたすかったぁありがとう♪』

お昼休み。

授業中に英語のノートを写し終えたらしい雅が夕陽の元にやって来た。

『夕陽ちゃん、頑張ってねー♪』

『ありがとう///』

真っ赤な夕陽に雅は笑いかけた。

『行ってきます』

夕陽も同じように笑いかける。

そうして教室を出ていった。


――――――


『―…サル!!おぃ!!起きろっ!!』

『あーねむぃ…』

同じ頃、眠り続けていた大斗はやっと目を覚ました。

『お前2時間1度も起きずに寝てたね…』

『あー何か、マスターがいきなり北海道行くって言って送ってったから寝てない。』

『北海道?って…雪那さん…?』

『あーなんかいきなり会いに行くとか言ってさ。なんだろね…?』

寝ぼけながら歩き出し2人は屋上にやって来た。


『何か、マスターかっこいいよなぁ♪何でか』

あははっと恭次は笑っていた。

『そうか…?』

『そうだよ。』



『俺…行ってくる…』

『へ?!』

突然思い付いたように大斗は言った。

『…夕陽。』

『だな。何があったか知らないけど、仲直りしなよ。大斗はそんなことばかりやってると痛い目見るぞ』

『ほっとけ』

大斗は恭次にニヤッと笑った。

『俺も頑張るよ。って何を〜??♪わかんねぇ、わかんねぇ♪』

大斗はなぜだか機嫌良く教室を出ていった。


俺も…きっとこうしてグダグダしてたらいけないって事なんだよな?!

夕陽が何を考えてるかわかんねぇけど

とりあえず話してみないと…


きっと、少し前の大斗ではこうした考えはなかっただろう。

咲に依存したまま、マスターに怒鳴られないと出来なかった事。

多少の後押しをされて、足を踏み出した…


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『大斗ー?いますかぁー?』

夕陽は馴れない音楽室に入った。


あれ?まだ来てない?


ガチャ。

すぐにドアが開く。

『あ。本当に居た♪』

夕陽は声のした方へ振り向く…

『へっ?大斗?!!』