『まぁ伝えたから、じゃあね』
傑はそう言うと夕陽のクラスにいる自分の友達の所に行ってしまった。
何でだろう?
屋上以外で会うなんて今までなかったのにな。
『夕陽ちゃん?』
今度は教室の中から呼ばれた。
振り返ると
『雅君?』
『ごめーん、英語のノート見せて…』
申し訳なさそうに雅は言った。
『うん、いーよ』
雅とは気まずさも減り、何かと世間話をできるようになっていた。
『今日たぶん当たるんだよね…』
『いーよ♪』
『そいえば、傑。友達?』
そう言って雅は屈託なく笑う。
そうよ、普通の男の子ならこうして何のあれも無しに世間話として言う話しだよ。
大斗がいちいち噛みつくのがおかしい。
『うん♪こないだ大斗のクラス行ったら友達になったんだ』
『そっかぁ夕陽ちゃんは友達いっぱいだね♪』
『そんなことないよ。』
雅君は本当に笑顔がかわいいなぁ♪
恭次くんもそうだけど♪
あれ?っていうか…普通はこうなのかなぁ…?
変なのは大斗…ね…
『なんか、雅君と話してると、普通の男の子と会話してるって身に染みるよ』
なんともなしに言った夕陽に
『それって、神崎と比べてるんでしょ?』
雅は、少しからかうように返す。
『えっ///??』
夕陽は瞬間的に真っ赤になってしまい、
『あはは…何かね、相変わらず振り回されてばっかし…』
ごまかすように苦笑いで答える。
『どうしたの?また何かあった?』
雅は夕陽の表情を見て心配そうに訪ねる。
『うううん、違うよ。あたしの都合で昨日…約束破ったから…さっき大沢くんから伝言来てね、お昼に会ってくる』
『でも羨ましいな。何だかんだ仲いいじゃん?』
『えっ??///』
『あ?!ごめんね、たいした意味無いからね』
再び赤くなった夕陽を見て自分がポロッと言ったことに慌てる雅。
クスクス夕陽は笑った。
雅もそれを見て一度柔らかく笑う。
夕陽は気付いたのか…
大斗の事を問われて、否定せずに赤くなった自分に…