こんな時間が物凄く好きだから…
あぁ良い天気。
コンビニでアイスを1つ買って外に2人座る。
『サル…?』
『あぁ?』
『暑いよ…』
夕陽はぐったり項垂れる。
『知ってる。いいから一口くれ』
彼女からスプーンを取り上げ、そのままアイスをすくった。
『わぁぁぁ!!』
口に入れる。
ベシャ…
『マズ。甘っ!!お前結局好きだよな?やっぱ苺って… っ!!!オィ!!落とすなよ!!バカもん!』
『あ…あたしの苺』
しょんぼり。
『もうっ!!大斗がいきなり取るからだよ』
今度は怒り出す。
『俺のせいかよ?つーか。お前…その座り方パンツ見えるぞ?』
『いやーっ!!バカバカ!!』
『イッテェ!!蹴んなよ!!』
――――――
『夏はかき氷よね♪』
夕陽と大斗は学校に戻ってきた。
『お前っ肥るとか言いながら2個目じゃねぇか?』
『かき氷は肥らないもん』
と夕陽は満足そうに笑う。
『へーそうなんだー』
『何よ?!その棒読みっ』
落としたアイスの代わりにかき氷を購入。
別にアイスくらい、いくらでも買ってやるよ。
お前が望むならいくらでも…
『もうすぐ体育祭だね?アンタまた人身被害しまくるの?』
『当たり前~』
即答。
体育祭…か。
今年は倒さなきゃいけないヤツ等が山のようにいるからな。
お前に絡む男達を全て抹殺しなけりゃならない。
『じゃぁまたね♪』
夕陽はかき氷を持ってニコニコで自分の教室に向かった。
彼も自分のクラスに向かう。
廊下を歩く大斗に窓からの風。
桜の葉が擦れる心地の良い音…。
あーもう…
夏だな。
暑すぎはダルいけど…でも寒いより
やっぱり俺は暖かいほうがいい。
あーあ…
アイツの体温も同じように温かいんだよな…
夏を待ち望む風を感じながら歩いていった。