そう言えば…大斗があたしにキスした時は…
あたしが悲しい時とか、泣いてる時とか…
励ましのかわりに…?
そんな行為も…どうかと思うけれど…
大斗にしたら…
そんなふうな時と同じように今のあたしは見えたの?
あたし…そんな悲しそうな顔してた…?
『違う』
夕陽は独り言を言うと大斗の後を追った。
家まで送ってくれた大斗は「良く寝ろよ」とあたしの頭をまたポンポンすると帰っていった。
『違うもん…』
あたしは…
その背中を見ながら大斗が触れた場所を押さえて、また独り言を言っていた。
風が…実際よりも冷たく感じた…