なんか…直接誰かに「大斗が好き」って言われたの初めてだ…


既に、この場にもう居たくない衝動に駆られる…


『ですよね♪大斗先輩は昔っから誰とも付き合わないし、いつも一緒に居る人居るけど、彼女ではないみたいだし』


きっと…咲さんのことだ…


『てゆうのも、色んな女の人と遊んでるのを後から知って、そう思ったんだけど…』

『そ、そう…』


『その時にはもうどうしようもなく先輩が好きだったから…』

菜穂は夕陽を見る。


聞きたくない。

あたしは…たぶんきっと…すっごく情けない顔をしている…

それに気付いて視線を下に向けた。


『大斗先輩ね♪あたしがナンパされてるの助けてくれて…出会ったんですけど。相手ボッコボコにしてくれて…。あたし危うく連れ去られそうで…。だから…先輩かっこよかったなぁ♪』


菜穂は話を続ける。


『大斗先輩、彼女作らないけど、あたし頑張ろうと思って、高校まで追っかけちゃった♪高校行ってるって予想外過ぎて周りもほとんど知らないし、探すの大変でしたぁ』


夕陽の状態を見ずに明るく話を続ける。


『大斗先輩凄い素っけないけど、なんかそれもかっこいいし…エッチも、すごくクールだけど、なんかそれが…忘れられなくって』


そして…クスッと笑う。


止めて…っ!!


叫びそうになった。


あぁ…




はっきりと言われてしまった。



やっぱり…





こんなこと…



聞きたくなかった…



聞きたくなかった…



目の当たりになんてしたくなかった…



もう何にも聞きたくない



夕陽はその場で固まっていた。




そんな夕陽に畳み掛けるように菜穂は言う。


『文化祭で久々に会ったら、夕陽先輩が居て、正直焦りました。でも2人は仲良く見えてもその時から何にも変わってないじゃないですか?夕陽先輩は大斗先輩のことどう思ってるんですか?!』


どう…?

そんなこと…


『…』


言えない…