『俺。こないだアイツの寝込みにキスしてしまった…』

『大斗ちゃん…君ソレ、一歩間違えたら犯罪…』

『わかってるけど…気付いた時は遅かった…』

『じゃぁ尚更、無いだろ?今まで女、何人切りしたか数えんのも困難なお前が…ひぃちゃんにしかチュウしてないってのは…冗談にしては重いな。』


と再びため息。


『そんな事言っても…だって、本当だし…』


ちょっと困ったなという様子で大斗は言った。


『はぁ?何を言ってるんだ?』

『だから俺、夕陽にしかしたことないよ。』


と彼は極当たり前の事を言う様に返答した。


『はぁ?』

『だから...』

―――――――


何なの?!
何なの!?
何なの?!


夕陽は真っ赤な顔で廊下を歩いていく。


あのバカついに日本語も喋れなくなったわけっ?!

「あああ、あたしにしかキスしたことない」だぁ?!

咲さんとのあれは…なんかまた違うけど...でも…他は...?

いやいや。。。!


バカな事を言うんじゃない!!


もう嫌っ!!



あーぁ…



もぅ…やだ…



困惑しながら歩みを進めると―


『夕陽先輩??』


どこからか突然夕陽を呼ぶ声。

『菜穂ちゃん?!どうしたの?!』


余りにも突然だったので、びっくりして勢いよく聞いていた。


『こんなとこでどうしたの?』

2年のクラスは3階、1年のクラスは4階。

屋上に行くには渡り廊下を通りクラスの無い特別教室側の棟、4階から更に上に上がる。


菜穂は4階の特別教室側にいて階段を降りる夕陽とはち合わせたのだ。

用がないと来ないような所。

『移動教室のとき忘れ物しちゃって…取りに来たんです』


『そう、なんだ』


一瞬、屋上がバレたかな?と思っちゃったよ…



『そぅそぅ、大斗先輩探してるんですけど、知りませんか?』


大斗は…屋上…