瞳を開けて…

澄み渡る蒼空の…ずっと先を見上げて…

遠く…遠くの…

あの人達に向かって泣いているのだろうか…?


瞳を開けたら、少しだけ見える斜め後からの彼女の顔が…

そんな事を思わせた…



『ゆ…うひ』


だから…


『お前は…空気みたいだ』


少しだけ…少しだけ…



『なに…それ?』



泣きながらきょとん。と聞いてくる。


その声ですら…さっき思った、まだ言葉に表せない想いを抱く…


今…当てられる言葉とするならば…

可愛いと思ってしまうんだ。


駄目だな。

どうしたんだ…

もう…自分でもわかんねぇよ…


『有るのか…無いのか…居るのか…居ないのか…わからない…その存在を忘れる…』


『え…?』


だから…



『誰にも今、俺は見られてない…』


夕陽の涙に便乗してもいいか?って事なんだ。


それに…きっと…お前は気付かないふりをしてくれるはずだから…


俺の手を握るお前の手が…

そう思わせてくれる…から…