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ただいまぁ我が日本♪


日曜日、夕陽は空港に到着して携帯の電源を入れる。


あ…


[空港着いたらすぐ電話]

―新着メール―from サル―


大斗…?電話しろ?ってこと?


トランクを受け取りすぐに大斗に発信する。

『もしもし大斗?』

〈着いた?〉

『あ、うん』


〈『おかえり』〉


電話口の声が突然後ろからの声と混ざって聞こえた。

『ふぇ?!』


〈『おかえり』〉


優しい声…


『た、ただいま?』

後に振り向いてみると大斗があの顔で柔らかく笑ってこちらに歩いて来る。

〈『間抜けな顔』〉


もうっ

でも…笑顔でそれを迎えた。


『来てくれたんだね。ありがとう。たった10日なのにすごい会ってないみたい』

『そう?』


相変わらず素っ気ないし


『髪の毛キンパツ止めたんだ?子ザルも良かったのにフフっ』

『伸びたからね』

クスクス笑う夕陽の様子を見て、無事に両親に会えたんだなと安心した様子の大斗。

『人、いっぱい居るのに見つけちゃった♪』

彼は、いたずらっ子の笑顔で笑っていた。


クスクス


『変なの』


本当に…久しぶりな気がしてしまう。


『お前さ、荷物宅配しろよ?俺バイクだから』

『あ、うん。』


空港で荷物を家に送る手続きを済ませると

『とりあえず腹減った』
『お腹空いた』

セリフが被った。


笑えるっ…物凄く変な気分。


空港でご飯を食べながら不思議な空気に包まれていた。


『大斗は連休中どうしてた?』

『死んでた』

『何それ?』

『何だろう?』


もうっわかんないんだから大斗は。


すると

『どうだった?』

優しい顔で大斗は問う。

夕陽はそれには答えずに笑顔で

『ありがとう』

と言った。


『俺さ、行きたい所あるんだ』

『うん。どこ?』

今度は大斗が答えない。

ただ笑っていた。

『いいよ。行こう』