『ひぃちゃんいつ帰ってくるの?』
『日曜…』
『後3日だね。それまでなんとかしろよ?日曜日、迎えに行けば?時間知ってんの?』
チケット見せられた時に…確か…
『12時40分…』
『しっかり記憶しているし』
驚きやっぱり吹き出しそうになる恭次。
『確かにっ大重症だな…フフっ…。とにかくさぁ、あっちの世界から早く還って来いよアホ。』
笑いを必死に堪えて恭次は続ける
『あー…』
『南深が怒るから俺は教室帰るからねっ♪放課後までには生き還っとけ。気晴らしに夜出掛けようぜ?!』
『あー』
そう言うと恭次は屋上から出ていった。
青い空を見上げた。
そこに飛行機が通り抜け
白い線をひいていく…
飛行機雲…
あー眠い…
――――――――
昼休み中もずっと眠り続けていた大斗は、学校の終わりを告げるチャイムでタイミングよく目を覚ました。
フラフラ立ち上がり上着を取りに行こうと教室へ向かう。
『今日、片桐さん休みだったなー』
『学校来た意味ねー』
なんだ?!コイツら。
廊下にそんな話をする人たち。
大斗はこんな現場によく遭遇するようになっていた。
何でこんなに周りは急に言い出すんだよ?
イライラしながら通りすぎる。
頭が朦朧していて逆に良かった…
きっとシラフだったらやっつけてた…
『大斗せんぱい♪』
すると大斗を呼ぶ声。
この声は…
橘菜穂…
『久しぶりです♪』
コイツ…夕陽んとこ行ってるって言ってたなぁ…
『こんにちはぁ♪』
『どうもね』
適当に返答。
もう…夕陽以外はどうでもいい…
『今日、夕陽先輩休みですね?さっき会いに行ったらいなかったぁ…』
『あーそうだね』
この場をどう切り抜けようか…頭がぼーっとして、考えらんねー
『…―って聞いてます?先輩?いいですか?』
何にも聞いてないって…
『あーうん』
『やったぁ♪』
何を喜んでるんだ?
『じゃぁ行きましょう♪』